良い親株の特徴
今年の収穫量が多かった株、葉の色が濃く病気にかかっていない株、クラウンが大きくしっかりした株を親株に選びましょう。
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育てたイチゴから新しい苗を増やし、翌年もたっぷり収穫しよう
🌱 イチゴ栽培の大きな楽しみのひとつが、ランナー(匍匐茎・ほふく茎)を利用して苗を増やすことです。一度苗を購入すれば、毎年自分で苗を増やすことができるため、翌年以降は苗代がかかりません。うまくランナーを活用すれば、1株から5〜10株もの新しい苗を作ることができます。
🌿 ランナーとは、親株から横に伸びる細い茎のことで、その先端に子株が形成されます。この子株がやがて独立した新しい株となり、翌年の収穫を担います。自然界では、これがイチゴが広がる仕組みで、「匍匐(ほふく)」という言葉は「地面を這う」という意味です。
💰 自分でランナーから苗を増やすことは、苗代を節約できるだけでなく、育てた品種の特性を維持できるという利点もあります。毎年新品種を試したい方はもちろん、気に入った品種を継続して育てたい方にも欠かせないテクニックです。このページでは、ランナーの見つけ方から独立した苗の植え付けまでを丁寧に解説します。
ランナーは収穫シーズン後の5月〜7月頃に親株から伸び始める、細い茎状の器官です。英語では「Runner(ランナー)」または「Stolon(ストロン)」と呼ばれます。
ランナーの先端や節の部分に「子株」が形成され、その子株が土に触れると根を張り始めます。子株はさらに別のランナーを伸ばして「孫株」を作ることもあります。
収穫が終わった5月下旬〜6月頃からランナーが伸び始めます。苗の増殖に使う「親株」は、今年の収穫量が多く、病気にかかっていない健康な株を選びます。弱った株や病気の株からのランナーは、翌年の株も同様の問題を抱えることがあります。良い親株を選ぶことが、翌年の豊作の第一歩です。複数の株がある場合は、最も状態の良いものを親株として残しておきましょう。
子株が根付くためのポット(3〜4号のビニールポットや黒ポット)を準備し、野菜用培養土や挿し木用の培土を入れておきます。ポットを親株の近くに置き、伸びてきたランナーの子株が自然にポットの土に触れるよう配置します。ポットが動かないようにレンガや石で固定するか、地面に少し埋めておくとランナーが安定して根を張ることができます。
ランナーが伸びてきたら、第一子株(太郎苗)の位置をポットに誘導します。U字型のピンや針金、洗濯ばさみなどを使って子株の根元をポットの土に押さえつけます。このとき、子株のクラウン(根元の茎の太い部分)が土の表面に出るよう深さを調整します。深く埋めすぎると腐れ、浅すぎると根付きが遅れます。子株をポットに密着させた後、乾燥しないよう適度に水やりを続けます。
子株をポットに固定してから約3〜4週間後、根が十分に発育したか確認します。ポットを軽く持ち上げて抵抗感があれば、根がしっかり張っているサインです。また、ポットの底穴から白い根が見えてきたら根付き完了の目安です。無理に引っ張って確認すると根が傷つくので、優しく扱いましょう。根が不十分な場合はさらに1〜2週間待ちます。
根がしっかり張ったことを確認したら、親株と子株をつなぐランナーをハサミで切断します。切る場所は子株のクラウンのすぐ近く(3〜5cm残す)が理想です。一気に切らずに、最初は半分だけ切って1週間後に完全に切る「段階的切り離し」を行うと、子株が急な環境変化に対応しやすくなります。切り口は清潔なハサミを使い、必要ならば切り口に殺菌剤(竹炭粉など)を塗っておくとよいでしょう。
切り離し後の子株は直射日光を避けた半日陰の場所で管理します。7月〜8月の強い夏の日差しは苗を傷めます。遮光ネット(50%遮光程度)を使うか、北向きや東向きの涼しい場所に置きましょう。水やりは土が乾いたらたっぷりと与えます。夏は蒸発が早いため、朝晩の2回水やりが必要な場合もあります。気温が高く蒸れやすい時期なので、株同士が密着しないよう間隔をあけて管理します。
9月下旬〜10月になったら、夏の間ポットで育てた子株を本番の場所(畑・プランター・ハウス等)に植え付けます。植え付け前に葉を3〜4枚程度に整理し、古い葉や傷んだ葉を除去します。この「子株」が来年の春に実をつける主役となります。植え付け後はたっぷりと水やりをして、活着するまでの1〜2週間は乾燥させないよう管理します。これで来シーズンへの準備が完了です。
赤く熟した実を収穫しながら、同時にランナーが伸び始めます。親株に使う健康な株を選び、残りの株からはランナーを取ります。収穫量が多く健康な株を翌年の親株にマーキングしておきましょう。
ランナーの子株(太郎苗・次郎苗)をポットに誘導して固定します。U字ピンや竹串でしっかりと土に密着させます。不要なランナー(孫株以降)は早めに切り取って親株の体力を温存します。
ポットに固定して3〜4週間後、根が張ったことを確認してから親株と切り離します。切り離し後は半日陰の涼しい場所で夏越しの管理を始めます。乾燥に注意して水やりをこまめに行います。
最も暑い時期です。直射日光を避け、50%遮光ネットの下で管理します。高温多湿による蒸れや病気に注意しながら、朝晩の水やりを欠かさず行います。葉が黄化したり萎れる場合は日陰を増やします。
秋の涼しさとともに苗が活性化します。古い葉を整理して苗の状態を整えます。9月下旬には植え付けができる状態になります。植え付け先の土づくり(石灰・堆肥の混ぜ込み)をこの時期から始めましょう。
準備した畑・プランター・ハウスへの植え付けを行います。クラウンが土の表面に出るよう注意して植えましょう。植え付け後はしっかり水を与え、活着するまでの1〜2週間は乾燥させないよう管理します。
冬越しした株は3月から開花し始め、5〜6月に収穫シーズンを迎えます。自分で増やした苗が大きく育ち、豊かに実をつける喜びを体験しましょう。また同時に次のランナー取りの準備も始まります。
今年の収穫量が多かった株、葉の色が濃く病気にかかっていない株、クラウンが大きくしっかりした株を親株に選びましょう。
太くてしっかりしたランナー(直径3mm以上が目安)から伸びる子株は充実した苗になりやすいです。細いランナーからの苗は翌年の実付きが少ない傾向があります。
第一子株(太郎苗)は葉が4〜5枚以上あり、クラウンが太くしっかりしているものが理想です。根がポットの底からはみ出るくらいしっかり張っていると完璧です。
炭疽病・萎黄病などの病気にかかった株、葉が黄化している弱った株、収穫が少なかった株はランナー取りに使わないようにしましょう。病気が子株にも伝わる場合があります。
細くて弱々しいランナー、病斑が出ているランナー、第三子株以降のランナーは苗として使用しないほうが安全です。品質の低い苗からは収穫量が少なくなります。
同じ株を何年も繰り返し使うと、ウイルス病の蓄積やクラウンの老化が進み、収穫量が落ちます。2〜3年に一度は新品種の購入苗から更新することをおすすめします。